第4回QLCセミナーを東北大学(片平キャンパス)にて開催しました。

第4回QLCセミナー

日時:2019年8月26日(月) 14:00-15:00
場所:東北大学多元物質科学研究所西一号館(科学計測研究棟S棟)2階セミナー室
主催:スピン量子物性研究分野

超高エントロピー液体の構造とダイナミクス
東京大学物性研究所 山室修

分子のサイズ(分子量)が大きくなるほど融点が上がるのは常識である。しかし、最近、室温で液体として存在する巨大分子が合成され注目を集めている。これらの分子はポルフィリンなどのπ電子コアをもつため、そこに金属を入れて液体状態の発光体や光センサーを作ったり、電気を貯めてエレクトレットを作ったりする応用も考えられている。我々は、これらの分子が液体として存在できるのは、分子がもつ長いアルキル鎖の無秩序によるものと考え、これらの物質を「超高エントロピー液体」と呼んでいる。セミナーでは、我々が現在行っている熱容量(エントロピー)測定、放射光X線回折、中性子準弾性散乱の研究を紹介する。熱力学、構造、ダイナミクスの3観点から、新奇物質である超高エントロピー液体の特徴に迫りたい。

担当:佐藤卓(東北大多元研)