棒状や円盤状の分子系では、気体・液体・固体の三態の他に、液晶とよばれる状態が現れますが、近年、様々な量子物質において液晶に類似した電子状態が次々と観測され始めています。このような電子状態は、スピン系・強相関金属・超伝導の各分野で独立に研究されていましたが、本新学術領域では、これらを「スピン液晶」・「電荷液晶」・「電子対液晶」と整理し、いずれも量子多体効果によって現れる点に着目し、「量子液晶」という新概念によって統一的に取り扱い、その基礎学理を構築することを目指しています。また、これらの電子状態にとどまらず、量子流体と呼ばれる系において何らかの対称性を破る状態や、通常の液晶を基に量子効果を導入したものなど、幅広い物質群を量子液晶とみなし、その普遍性と多様性を探究します。
歴史的には、物質の三態を超えた「液晶・ソフトマター」の科学が発展し、様々な新しい応用が開かれました。本領域はその量子版と位置付けられ、例えば「流体力学」から「量子流体(液体)」の物理学の展開では超伝導や量子ホール効果などの新たな概念が現れたように、「量子液晶」の科学の展開においても新しい学術の創成が期待されます。また、基底状態を解明し素励起を制御することは、新しい量子液晶テクノロジーへの基礎を築くものであり、電子状態そのものを変化させることで高速かつ巨大な応答を可能とし、量子情報技術などに役立つ新機能の発現が期待されます。
歴史的には、物質の三態を超えた「液晶・ソフトマター」の科学が発展し、様々な新しい応用が開かれました。本領域はその量子版と位置付けられ、例えば「流体力学」から「量子流体(液体)」の物理学の展開では超伝導や量子ホール効果などの新たな概念が現れたように、「量子液晶」の科学の展開においても新しい学術の創成が期待されます。また、基底状態を解明し素励起を制御することは、新しい量子液晶テクノロジーへの基礎を築くものであり、電子状態そのものを変化させることで高速かつ巨大な応答を可能とし、量子情報技術などに役立つ新機能の発現が期待されます。
領域代表 芝内孝禎
(東京大学大学院
新領域創成科学研究科 教授)
(東京大学大学院
新領域創成科学研究科 教授)